
格安SIMに乗り換えてこんなはずじゃなかったとならないために。速度・サポート・キャリアメールなど、乗り換え前に必ず知っておきたい注意点と対処法を解説します。
格安SIMに乗り換えて後悔したという書き込みや声を目にして、不安になっている方もいるかもしれません。
ただ実際のところ、後悔した人の理由をよく見ていくと、致命的な失敗というよりも事前に知っていれば避けられた不満が多いのが実情です。
この記事では、格安SIMに乗り換えた方からよく聞かれる困ったことを8つ取り上げ、それぞれの対処法とともに解説します。乗り換え前にこれを知っておくだけで、多くの失敗は防ぐことができます。
■最終更新:2026年7月
料金・サービス情報は変更される場合があります。最新情報は各公式サイトでご確認ください。
格安SIMへの乗り換えで「失敗した」と感じる主な原因
まずどんな場面で「失敗した」と感じやすいのかを整理します。よく挙がるのは次の4つです。
①通信速度が遅くなった(時間帯によって)
②キャリアメールが使えなくなった
③店舗に相談できない
④設定が思ったより大変だった
注意点① 昼・夕方の通信速度が遅くなる場合がある
格安SIMは大手キャリアから回線を借りてサービスを提供しています。回線の混雑する時間帯には速度が低下することがあります。特に昼休みや夕方の時間帯が影響を受けやすいです。
ただし、後悔の原因は品質そのものより期待値の高さにあることが多いです。
昼休みだけ遅い・夕方に動画が止まりやすいといった声が代表例で、深夜や午前中は快適に使えている人も少なくありません。
24時間ずっと使えないわけではない点を見落としているケースが多いのです。
■混雑時はWi-Fi利用や動画コンテンツをあらかじめダウンロードしておくなどの対策がおすすめです。
■速度の安定性を重視するなら、大手キャリアのサブブランド(ahamo・povo・LINEMO・UQモバイル・ワイモバイル)を選ぶ。大手キャリアのサブブランドは比較的安定した通信速度を維持できる傾向です。
注意点② キャリアメールが使えなくなる
大手キャリアのメールアドレス(@docomo.ne.jpなど)は、解約後は利用できなくなります。
これは格安SIMへの乗り換えで最もよく聞かれるトラブルのひとつです。
銀行・証券・ショッピングサイト・各種サービスの登録メールがキャリアメールになっている場合、乗り換え後に重要な通知が届かなくなるリスクがあります。
■乗り換え前に必ず、主要サービスの登録メールアドレスをGmailなどのフリーメールに変更しておく。
(参考記事:50代・60代向け格安SIM乗り換え完全ガイドはこちらから▶)
■キャリアのメール持ち運びサービス(月額330円前後)を利用すると、乗り換え後も旧キャリアメールを継続して利用できる場合があります。各キャリアの公式サイトで確認してください。
注意点③ 店舗での対面サポートを受けにくい
多くの格安SIMはオンライン中心の運営のため、大手キャリアのように全国各地に店舗を構えているわけではない点にも注意が必要です。
設定につまずいた時にショップに行って直接聞きたいという方には、不安に感じる場面が出てくる可能性があります。
■ワイモバイルとUQモバイルは、ソフトバンクショップやauショップでの契約手続き、アフターサポートを受けることも可能。対面でのサポートが必要な方はワイモバイル、UQモバイルを検討してみましょう。
■楽天モバイルも実店舗があり、対面でのサポートを受けられます。
■オンラインサポートのみの会社でも、チャット・電話・メールでの問い合わせには対応しています。事前にサポート窓口の種類を確認しておきましょう。
注意点④ APN設定など、初期設定を自分で行う必要がある
格安SIMのSIMカードが届いた後、スマホをインターネットに繋げるためのAPN設定という作業が必要になる場合があります。
スマホ操作に強い苦手意識がある人も、後悔しやすい傾向があります。説明を読んだり検索したりすることが負担になると、こんなはずじゃなかったと感じやすくなります。
一度設定すれば終わる作業でも、心理的ハードルが高い人にはストレスになります。
■各事業者は詳細なAPN設定手順をウェブサイトで公開しています。契約する格安SIMのAPN設定ガイドを事前に確認し、手順を理解しておくことが不可欠です。
■ iPhoneはプロファイルをインストールするだけで完了することが多く、比較的簡単です。
■自分でできるか不安という場合は、初期設定サポートが充実している会社を選ぶか、申し込みと同時にサポートをお願いできる有料サービスを利用する方法もあります。
(参考記事:50代・60代向け格安SIM乗り換え完全ガイドはこちらから▶)
注意点⑤ LINEなど引き継ぎが必要なアプリに注意
写真や連絡先、アプリのデータが失われたという事例も散見されます。特にAndroidからiPhone、またはその逆の乗り換えではデータ移行の方法が異なるため注意が必要です。
LINEはMNPで電話番号を引き継げばそのまま使えますが、設定を怠るとトーク履歴が消えることがあります。
■乗り換え作業前に必ずLINEの引き継ぎ設定をオンにし、トーク履歴をバックアップしておく。(参考記事:スマホを機種変更・譲渡する前にやることの話はこちらから▶)
■写真・連絡先はiCloud(iPhone)またはGoogleドライブ(Android)でバックアップを取っておく。
(参考記事:スマホの写真を整理・バックアップする方法はこちらから▶)
■機種変更を伴う場合は、スマホの全データバックアップを乗り換え作業の最初に行う。
注意点⑥ 通話料が思ったより高くなることがある
格安SIMではデータ通信料金は比較的安く設定されていることが多い一方で、通話料金は大手携帯電話会社と比べて特別に安く設定されていない傾向があります。
電話をよく使う方は、安くなると思って乗り換えたのに通話料だけで高くなったという事態になりやすいです。
■乗り換え前に、自分が月にどれくらい通話するかを確認する。
■通話が多い方はかけ放題オプション付きのプランか、楽天モバイル(RakutenLink経由で通話料無料)を選ぶ。
■ 5分・10分・完全かけ放題と段階があるので、自分の通話時間に合ったオプションを選ぶ。
注意点⑦ 端末残債・家族割が残っている場合に注意
乗り換えで失敗しやすいもうひとつのポイントが、現在の契約内容の確認不足です。
格安SIMへの乗り換えを安易に行うと、違約金の発生など思わぬ失敗をする可能性があります。
- スマホ本体の分割払いが残っている場合、乗り換えても支払いは継続されます(乗り換えとは別の契約)。
- 家族で大手キャリアを使っている場合、自分だけ格安SIMに移ると家族の家族割が外れて家族全体のコストが増えることがあります。
■乗り換え前に現在のキャリアのアプリ・マイページで端末残債・家族割の適用状況を確認する。
■家族での利用コストを合算して、本当にトータルで節約になるか計算してから判断する。
■家族でまとめて乗り換えを検討する場合は、IIJmioや楽天モバイルの家族割も比較の対象に。
(参考記事:楽天モバイル・ahamo・IIJmio比較はこちらから▶)
注意点⑧ 災害用伝言板が使えない場合がある
格安SIMでは、大手キャリアが提供する災害用伝言板を利用できない可能性があるため注意が必要です。
■乗り換え前に自分の契約する格安SIMで何の伝言板が使えるかを確認しておく。
■格安SIMを使用している場合は、災害時に利用できる専用アプリのインストールやSNSのアカウント登録などを行い、事前に備えておくことが大切です。
■ LINEの安否確認機能や、NTTのweb171を事前に把握しておくことで代替手段を確保できます
格安SIMに向いていない方のチェックリスト
次の項目に当てはまる方は、格安SIMより安定性・サポートを重視した選択をおすすめします。
□ 困った時は必ず店舗に相談したい
□ 昼休みや夕方も動画をよく見る(速度低下が気になる)
□ 電話を1日30分以上することが多い
□ スマホ設定が苦手で自分では操作したくない
□ 家族で同じキャリアを使っており家族割が大きい
2つ以上当てはまる場合は、UQモバイル・ワイモバイル(ソフトバンクのサブブランド)などの実店舗サポートがある選択肢も検討してみましょう
それでも格安SIMに乗り換える価値はあるか
注意点ばかりを並べてしまいましたが、格安SIMへの乗り換えは適切に準備すれば十分に価値があります。
格安SIM=後悔するという声を見かけると不安になりますが、実際に後悔した人の理由をよく見ていくと、事前に知っていれば避けられた不満が多いのが実情です。
月3,000〜5,000円の節約が年間で36,000〜60,000円になる計算です。乗り換え後は新たに難しい操作が増えるわけではなく、設定さえ済ませれば日常生活は今まで通りです。
この記事の8つの注意点を事前にチェックして、自分の状況に合った準備をしてから乗り換えれば、失敗したと感じる可能性は大きく下がります。
よくある質問
まとめ
乗り換えを決める前に確認すること
□ 速度低下への許容度を確認した(昼休み・夕方の使い方を振り返った)
□ キャリアメールを使っているサービスをリストアップした
□ 店舗サポートが必要かどうかを判断した
□ 月の通話量を確認してかけ放題の要否を判断した
□ 端末残債・家族割の状況を確認した
□ 家族全体のコストを合算して計算した
乗り換え作業の前に済ませること
□ スマホのデータバックアップを取った(記事05参照)
□ LINEの引き継ぎ設定をオンにした(記事14参照)
□ キャリアメールのアドレス変更を主要サービスで済ませた
□ APN設定の手順を公式サイトで確認した
格安SIMへの乗り換えは、準備さえ整っていれば思ったより簡単だったと感じる方がほとんどです。
あわてず、自分のペースでひとつずつ確認しながら進めてみてください。
参考・出典
- 総務省 SIMロックについて https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/mobile/sim_lock.html
- NTT 災害用伝言板(web171) https://www.ntt.co.jp/sae/171/
